あやかしあやし エフェクトネタ帳 諸の七
目次
諸の七.○アヤガミ・#01-#30
さてさて、連載も半分をこなしたことになりましょうか?
番組全編を通しての定番画面効果はなんといってもこの「アヤガミ」です。
使用頻度の高さはダントツ。いや当然といえばあまりに当然
主人公 往壓(ゆきあつ)さんの特殊能力です。
アヤガミの作り方
まずは、アヤガミ本体を準備します。
アヤガミは、設定上は異界に満ちている何らかのエネルギー(食用可)だそうですが、作画上はただの黒マスクです。
効果上奥が透けて見えるので、基本的に同一動画に書き込みの素材はありません。
書き込み作画の一部分を「アヤガミ」にしてくれと言われた場合は、セルを加工して素材を分離します。
作画班に黒マスクを別セルで描いてもらうか、または効果側でコンピュータを使って作ります。
主にキャラクターと絡む部分は作画、にぎやかに沢山出てくる部分 や アニメーションで文字状になる部分等を効果側で担当していますが、絶対というわけではないので、番組内ではイロイロな素材が混在しています。
効果側で作成する場合は、ほとんどのケースでトラップコード社の「3D Stroke」プラグインを使っています。
こんなパターンが多いです。もちろん全部じゃありません…イロイロね
キャプチャをとったマシンの3Dストロークはデモ版なので…×印はご愛嬌 じつは個人ではライセンスを買っていないです。
出来上がったマスクを以下の様に合成します。
- 1.
アヤガミ単体の位置合わせを済ませたコンポジションを作成する。 アヤガミだけのコンポジションを組みます。仕上がりは黒地に白です。 セルを組み上げたコンポを複製してアヤガミだけを残したものが良いと思います。 通常のセルは反転・レベル調整して黒地(0/0/0)に白(255/255/255)の素材としてください。
- 2.
フレアを別のコンポで作成します。 ○1.で作成したコンポをレイヤとしてボカシ処理をかけます。標準の手順は以下の通り。 ボックスブラー等の足の早いブラーを使用してアヤガミ本体の線の太さの5から10倍程度の半径で大きくぼかします。 さらに、中心付近が白(100%)近くなるようにレベルを調整します。
○この先のアヤガミのフレアは、「血球光」の処理と同処理になります。 画面内にアヤガミと同時に「血球光」がある場合は、このコンポジションに血球光のジェネレータを置いて、 血球光のパーティクルを比較明または加算でここに加えてください。 ○ぼかしたアヤガミ(と血球光用パーティクル)に、さらに一定のブラーをかけて「なじませ」をかけます。 半径10から20px程度です。輝度に注意して血球光の最高輝度が50%以下になるようにしてください。 必要ならレベル補正をかけます。
○この画像に、調色カーブで色つけを行ないます。 サンプルのカーブを使用するか、テンプレート内の"color"フォルダにある "yellow03.ACV"を使用してください。
- 3.
下絵に対してフレアを加算で合成します。 背景の輝度が高くてフレアが見えにくい場合は、背景の輝度を落としてフレアが見えるように調整してください。 極端に落とす必要はありません、ほんのり見えるくらいで充分です。 カット内で効果の IN/OUTがある場合は、そのタイミングに合わせた調整をしてください。
- 4.
フレアの上から、アヤガミを「差の絶対値」で合成します。 フレアの中心近くが輝度が高い状態なのでアヤガミ本体が黒くあらわれ、その他の部分は元の色のまま残ります。
- 5.
アヤガミが「文字」になって力を得た場合のみ、アヤガミのレイヤに対して「震え」の処理を追加します。
コンポジション内に名前を"tarckMaster"として、ヌルレイヤーを作成します。 このレイヤに震え(ぶれ)を与えます。位置プロパティを使用して不定の方向にぶれを作ってください。 完全な「ランダム」よりも「ノイズ」系の方が力強い感じにないやすいので好ましいです。 サンプルプロジェクトの"trackMaster"レイヤをそのま使用しても構いません。
アヤガミのレイヤーにテンプレート内のアニメーションプリセット "trackBlur(トラックブラー)"を適用します。 このエクスプレッションは、"trackMaster" の動きを見てベクトル方向に、方向ブラーを与えます。 ぶれ幅が大き過ぎたり小さ過ぎてカット内容に合わない場合は、親レイヤの動きを調節するか、または トラックブラーのシャッター開口度でぶれ幅をコントロールしてください。 文字本体は動かず、モーション・ブラーのボカシだけがのります。
- 6.
さらに強い力の表現 がある場合は、「きっかけ」や「押し」として「上のせフレア」を追加します。 「上のせフレア」は、テンプレートのコンポジションを複製してご使用下さい。 コンポを複製してオーバーレイモードで一番上にのせます。 周囲が暗く、中心が明るくなり、中心からのギザギザが震えます。(漫画っぽいはっきりした効果です。) 元コンポの「アニメーションハンドル」を移動するとフラッシュの中心が移動します。 サイズを変更するとフレアの範囲が判貸します。各パラメータはキーをつけてアニメーション可能です。 エクスプレッションと平面で構成されていますのでサイズを変更しても元の効果が得られます。 この効果は、特に強い表現の場合だけにとどめてください。
とまあ、こんな手順でアヤガミがあの光りかたをするわけです。
…途中から文章がカタイのは仕事で書いたレシピをコピペーしたからです。うひゃはほ
では、サンプルプロジェクトをドゾ
/cgi-bin/control.cgi?PAGE=85&ITEM=071107
お前のアヤガミをみせろー!!
ハーイ
ΛΛ ( キ )ノ[[怠]]
ではまた来週あたり。
2007/12/29
この連載記事で公開されたプロジェクトおよびフッテージは、ねこまたやの著作物です。
公開用に調整されている為、他所の版権の及ぶ素材が含まれないよう配慮されております。
これらの公開物に含まれるプロジェクトおよびフッテージは、著作権を維持した上で一般的な使用を許諾します。
個人的な目的および商業的な目的ともに対価を伴わず使用することが出来るものとします。
これらのプロジェクトおよびフッテージは無償で提供されています。
これらのプロジェクトおよびフッテージを著作権者に無断で直接売買することは、これを禁じさせていただきます。
これらのプロジェクトおよびフッテージを使用したことによる利益および不利益に対してねこまたやは一切の責を負わないものとします。
これらのプロジェクトおよびフッテージは、使用者の判断のもとにすべて使用者の責任においてご使用ください。
このページのビデオキャプチャ画像の無断転載はご遠慮ください