レイアウト用紙とは・・
御存知のとおりの、これです.
アニメーションの制作現場では、作業の標準化のために基準となる「フレーム」
を設定します。
これは一般的には、
作画フレーム、撮影フレーム、スタンダードフレーム・・等々
それぞれの時と場所で色々の呼び方をされますが、
ここでは単に「フレーム」という名前で呼ぶことにします。
この「フレーム」をタップ穴のついた作画用紙に印刷したものを
「レイアウト用紙」と呼び、主に原画作業前のレイアウト作業時に使用します。
基準となる「フレーム」は、幅が約24cmで、高さは制作する媒体によって変化
するのが普通です。
35mmムービー なら 約 17.5 cm
ビスタフレームの映画なら 約 13.5 cm
----- 撮影媒体の画面縦横比率で変える
従来、アニメーションといえばフィルムで作成するものだったので、縦横の
比率は各制作会社ともフィルムの縦横比に合わせて 16:22 (またはその近辺)
でした。(タップ穴とフレームの距離は、各社まちまちです)
現在は、コンピュータ制作でフィルムを仲介しないでビデオに変換する事が多いので
テレビの規格に合わせて 3:4 の縦横比のレイアウト用紙も見かける様になりました。
レイアウト用紙は、単に基準フレームを印刷しただけの大変シンプルなものも
ありますが、普通は、ページ上部の図の様に、
●安全フレームと呼ばれる少し内側の線
●画面中心を示す十字のライン(小さな十字マークの場合も多い)
●カットナンバーを書き込む欄
●カットの時間を書き込む欄
●制作会社のロゴ
等の 補助情報を印刷してあるのが普通です。
上の図にはありませんが、テレビ向けの制作を主体にしている会社のレイアウト用紙
には、
●テレビフレーム(テレビ放映のフレーム率は低い)
●タイトル安全フレーム
等が、印刷してあるものもあります。
また、大判用紙の作画や、カメラワークの指定の為にスタンダードフレームの寸法を
「100 フレーム」として
「160 フレームで作画」や
「40 フレームから 120 フレームのトラックバック」
等と作業指示の単位として使用します。
100フレームは常に幅が 24 cmというわけではなく、各社・各作品毎にそれぞれ定めた
標準寸法を100フレームと呼び習わす習慣です。・・が、一般的な作画用紙および
セルの寸法の為各社とも24cm前後になるのが普通です。
(というより劇場作品以外では、スタンダードが24 cmでない作品をやった事が
無い・・・噂ではサザエさんの作画用紙は小さいらしい。
・・・見たことないけど)
この単位は、日本のアニメーション業界の習慣の様で、他の国のアニメーション業界と
互換はありません。アメリカでは、フレームの幅を直接インチで表して
「12インチフレーム」とか「10インチ」フレームとか呼ぶらしいです。
(未確認・・かつてアメリカ向けの「合作アニメ」なる仕事もしましたが、
そのときは作画 - 撮影 等はすべて日本式でした。)
この呼び方だと、24cm 幅のフレームは、インチに換算して 9.4488インチで
9.5インチフレームとして扱う事ができますね。
この話は、次のページへ続く
実物大フレームが欲しい方は、こちらへどうぞ。
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